元染
ハワイ・ホノルル美術館の元染の平鉢は凄い!
MOA美術館の深鉢と絵がよく似ている。雄の水禽の向きが違うくらい。
この平鉢を見ると、元染の焼成された温度を感じる事が出来そうだ。焼成温度帯が2つあり、“明染”のガラス質に対し、“元染”は玉化している。
鉢のヘリ4~5mmぐらいの釉が胎土に吸収され、表面が紙やすりの面の様になっている。
したがって1400℃ぐらいまでいっていると考えられる。
絵付けや釉薬掛けは生掛けで、全面にピンホールや釉切れがある。
凄いのは呉須溜まり!
絵も線も胎土に染み込み、白磁の部分より一段深く掘り下げた様になっている。又呉須溜まりの強い箇所は池になっている。
鉢の裏の土見せは酸化仕上げらしく、全面に白磁土が弱い赤になっている。元染を説明するには、このホノルル美術館の平鉢は、条件が全部満たされているようだ。