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高校時代 7

高校1年の夏休み、美術部で倉敷・大原美術館へ1泊2日の見学会を私が企画した。
なぜか2年生、3年生はいないのである。
美術部へはあまり顔を出さないにもかかわらず、こんな時だけ口を出す。
部員何人で行ったか古い話で覚えてないが、4,5人居たと思う。
彼女が居たことだけはしっかり記憶がある。彼女と言ってもまだ直接口をきいたことがなかった。
彼女は野球が好きだったのか?部員が好きなのか? 野球の応援で忙しかった様だ。

もう一つ覚えていないのが引率した先生が高校の先生でなく、中学で私を高校へ行かせた美術の佐伯先生がなぜかついていった事である。

倉敷で宿泊したのはホテルでも旅館でもなく、教職員宿舎で、大広間に皆で雑魚寝したこと。
佐伯先生が闇駕籠に包丁と桃をいっぱい入れて下駄履きで来たこと。
そして、”セガンチーノ”の絵は今も鮮明に覚えている。
{闇駕籠とは、戦後闇市に行くときに皆下げていった草で編んだ買い物駕籠のこと}

大原美術館には、グレコ、セザンヌ、ゴッホ、ルオー等名品が溢れるほどあるにもかかわらず、なぜ”セガンチーニ”なのか?
これも自分で今考えても、その後何度見ても判らない。
不思議な現象なのである。

もう一人女学生がいたと思う。
彼女は美術大学へ行った。
その後、私の個展に娘を連れて来てくれた。
「娘です。」と紹介してくれた。
”コムロ テツヤ” とか言う人と結婚したと言っていた。

セガンチーニは彼女が
「私はこの絵が好き」 と言ったのでは・・・?