高校時代 17
彼女とは時々デートをする様になった。
デートと言っても手も触ったことがなかった。
自転車を並べて少し遠くへ行くぐらいであった。
私は彼女の名前はなぜか呼べなかった。心の中で叫んでいても声には出せなかった。
笑い顔美しかった。それで満足だった。
私の家と彼女の家は15Kぐらい離れていた。
私の住んでいた町は愛媛では2番目ぐらい真っ平らな平野で、その平野を南北に道路が一本真っ直ぐ6Kぐらい走っている。
ある時、彼女が私の家へ遊びに来ると言うので、途中まで迎えに行った。
その真っ直ぐな道が良く見える小さな饅頭のような山がある。その山へ登る。見ていると、その真っ直ぐな道をはるか彼方から点がこちらに向かってくる。
私は急いで山を駆け下りて行った。が、彼女の自転車の方が早かった。
山から下って自転車で追っかけたが見失ってしまった。