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高校時代 10

惟弘のおふくろの話だと、
「寝たきりでも腹が減って太鼓饅頭を腹いっぱい食いたい」
との話であった。
正三と私は、ありったけの金を集め太鼓饅頭を50個ぐらい買って惟弘の家に向かった。
惟弘は天井から片足をロープでつられ、その足は白い布でグルグル巻きにされていた。
それにしても饅頭の食いっぷりはすごかった。
見ているこちらも腹がぐうぐうなった。
惟弘は腹いっぱい食ったところでトイレに行くと立ち上がった。
親子して私達をからかっていた事に気がつくまでしばらくかかった。

食堂で饅頭の食べ比べを3人でやったことがあった。
負けた方が支払う約束だった。
正三は早いうちにギブアップをした。
私は饅頭20個と素うどん2杯食って「勝った!」と思った。
惟弘はその上に肉うどん1杯食った。
正三と私は金を払わされた。
そんな金はノート代とか、教科書代とか自転車の修理代とかで親からせしめた。

私のクラスに質屋の息子がいた。
その質屋へサッカー部の勇が、盗んだ(盗品)靴を質入れしたとの警察の調べが始まった。
勇は悪仲間ではあったが、そんな事をするような人間ではなかった。
彼は授業が終わると毎日警察へ取調べに行く。行っても何もしゃべらないから2,3日続いたと思う。
彼は我々仲間には警察であった事を一部始終話した。
とにかく彼を仲間で応援し頑張らせた。
結果的にはやはり無罪となった。
彼には1日いくらかの日当が出た。
仲間でうどんと饅頭を食った